古文書の変体仮名の効果的な学習方法の提案について
1くずし字解読アプリ「みを」が開発、公開されました。近世の古文書はかなりよめると聞いています。今のところ、合字などは課題のようです。さらに「ニンベン」「ギョウニンベン」「サンズイ」「リッシンベン」など同じくずしになってしまう草書体などは、AIでは判読しにくいかと思われます。文書の意味が通るように読まないとならないという高度な課題もあります。さらに書いた人の癖があり、なかなか最後は人間か判断しないとならないことも残るのでなないかと思われます。現在、どのくらいの古文書を「みを」を使って読めるかを検証した人もいますが、かなり参考になる場合もありますが、誤読はものによってたくさんあるようです。そこで、私は、一つの古文書を読み、その中に使われている変体仮名を知ることで、其一つの古文書を早く読むための変体仮名の学習方法を考えてみました。1つの古文書に使われている変体仮名をまず学ぶことで、使われていない変体仮名はその時点では学ぶ必要はありません。そのように一つ一つ学んでいくうちに自然に五十音の変体仮名を学び終わっていたという方法もあるのではないかと思います。最初にすべての変体仮名を学ぶ方法もありますが、一つの古文書の積み重ねが、内容を知ることができれば楽しく学べるのではないかと考えました。そこで今回は国立国会図書館デジタルコレクションにある「有馬山温泉小鑑」出版社菊屋五郎兵衛、貞享2年出版は有馬温泉の歴史を知ることができ、行基菩薩などの不思議な話などがおり交ぜられて、興味深い内容です。
- 「有馬山温泉小鑑」における変体仮名の覚え方 ① 頻出の順番に変体仮名を覚える。 ② 同一の変体仮名のくずし方の変化にも考慮して、様々なくずし方の程度にも注意して覚える。(変体仮名の字母となった感じを抑えておくと覚えやすい)
- 課題として、これはまだ1冊の古文書の事例だけであるうえ有効かどうか検証する必要がある。
- 古文書は変体仮名だけではなく行書・草書も読める必要がある。その学習方法は今まで出版された解読の学習法などの出版物による学習やYouTubeなどでも解説がたくさんあるのでそれらの活用も有効である。
有馬山温泉小鑑における変体仮名の使用をページごと順番に書き出し、さらに使用頻度を50音順の一覧表にしました。その活用などの拙い提案を大学の紀要にまとめました。『「有馬山温泉小鑑」における変体仮名の使用に関する研究(武蔵野学院大学日本総合研究所研究紀要((第19輯/2022))齋藤英男』です。
