第7回くずし字解読講座 9月18日(土)13:30~15:30

「有馬山温泉小鑑」を読む。第7回 

第6回は、仁世上人夢のお告げの通りに、木の葉を高嶺から投げると、神のお告げ通りに湯壷落ちてとどまった。そこでここを落ち葉山と名付けた。泉に白鷺が足を浸し、その身に水をかぶって毛をふるっているのを不思議に思い、泉におりて仁西上人が手を浸してみると温泉も水であった。この白鷺は仁世上人に温泉を知らせる神慮であったのだと覚った。このことで年久しく途絶えていた温泉にたどり着いた。然しその状況は山河寂寥として物すごく、人気のなく、谷の水音も風も猿の鳴き声も恐ろしい程である。そこで上人は念誦を取り出し権現の御名を唱え祈願に徹した。少しうとうとするとこの山の薬師如来が枕が身にたって、爾は行基上人の再来で今、仁西となってこの地に来たとつたえて、仁西に音声の廃窟ヲ交流させ、衆生の病患を救いさせようとするのに長年待っていた、石井で再興せよ、疑うことなかれと言って、一寸八部の仏舎利を授けた。そして急いで里人を説得して湯舟を埋め、浴室を建てて仏舎利もおさめ霊地に安置した。そしてその後数百年を経て終に耐えることはなかった。

第7回は、この温泉により、病患の業苦から救われ、広大無辺の御利益は数えられないほどであった。こののちは、湯船の大きさなど細かな温泉の湯屋などの説明に移る。