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2021年3月31日
書の鑑賞に筆跡診断を活用した私の鑑賞法?

筆跡診断は一字一字の筆跡の特徴(構成・字形・線の長短等)と文字の書き進め方(章法)によって筆者の書いた時点の行動スタイルを診断するものです。したがって書の鑑賞とは違いますが、あえて筆跡診断を活用した私流の書の鑑賞法です。「書く」という「行動」に焦点を当てた説明がわかりやすいかと思いますが、いかがでしょうか?

書道の作品は日常のメモや手紙などと異なり、意図的に創造性をフル稼働させ、墨の濃淡、潤渇、文字の大小、リズム、筆圧の強弱、線の太細、行間の広さや筆の技巧等により、詩や短歌などの言葉を書きます。非常に作為的であるので、普段の筆跡による筆跡診断が書の鑑賞に可能であるか疑問な点があります。しかし、あえて私は筆跡診断で学んだ筆跡特徴や章法により書作品を鑑賞し批評を試みています。その例を今回は3つ紹介します。これは書の良しあしとは別物(風格のようなものは別と考えます)であると思いますが、書く時の一つの指標として参考になりませんか?いろいろとご意見をいただけると嬉しいです。「書く」という「行動」に焦点を当てた方法です。この視点は行動が早いから良い、または悪いということではなく、自分の表現しようとするものと合致しているかどうかの吟味の参考になるのではないでしょうか?

  1. 字間について:文字と文字の字間が詰まっている。(「字間ツマリ型」と筆跡診断では言います)書く動作が次から次へと早く、スピーディであるともいえます。ただし忙しく、せわしない感じを与えます。字間が空いていれば(字間アキ型)ゆったりと落ち着いた余裕の感じを与えます。どちらを目指していますか? 書く速度とも関連します。
  2. 文字の大小について:文字の大小が多いと変化を感じます。(「大字小字混合型」と筆跡診断では言います)これは草書作品や仮名ではこれをうまく組み合わせるとメリハリが出て動きが多彩で臨機応変な行動力を感じさせます。逆に同じ大きさは楷書や隷書、篆書作品が多いと思いますが、沈着で、冷静でしっかりとした行動で統一感がありきちんと整列した感じを与えます。比較的ゆっくりした動きでないと書けないでしょう。その中でも墨のカスレなどにより立体的な深みとカスレによるスピード感の変化は出せると思います。
  3. 開空間について:偏と旁のある漢字のその間が広い。(「開空間広型」と筆跡診断では言います)これは、偏から旁に動く行動が大きく時間的余裕をもって腕を動かします。したがって気宇壮大となり、スケールの大きさを感じさせます。あまり広いとバラバラな感じになることは要注意ですが。また逆に狭い(開空間狭型)と、すぐに閉ざす行動でスピーディですが半面、窮屈で何物も間に入れさせない閉まった作りであり、何か隙間に入れさせない守る強さを感じさせます。自分の信念を重視する表現です。
書の鑑賞に筆跡診断を活用した私の鑑賞法? 筆跡診断は一字一字の筆跡の特徴(構成・字形・線の長短等)と文字の書き進め方(章法)によって筆者の書いた時点の行動スタイルを診断するものです。したがって書の鑑賞とは違いますが、あえて筆跡診断を活用した私流の書の鑑賞法です。「書く」という「行動」に焦点を当てた説明がわかりやすいかと思いますが、いかがでしょうか? 書道の作品は日常のメモや手紙などと異なり、意図的に創造性をフル稼働させ、墨の濃淡、潤渇、文字の大小、リズム、筆圧の強弱、線の太細、行間の広さや筆の技巧等により、詩や短歌などの言葉を書きます。非常に作為的であるので、普段の筆跡による筆跡診断が書の鑑賞に可能であるか疑問な点があります。しかし、あえて私は筆跡診断で学んだ筆跡特徴や章法により書作品を鑑賞し批評を試みています。その例を今回は3つ紹介します。これは書の良しあしとは別物(風格のようなものは別と考えます)であると思いますが、書く時の一つの指標として参考になりませんか?いろいろとご意見をいただけると嬉しいです。「書く」という「行動」に焦点を当てた方法です。この視点は行動が早いから良い、または悪いということではなく、自分の表現しようとするものと合致しているかどうかの吟味の参考になるのではないでしょうか? 字間について:文字と文字の字間が詰まっている。(「字間ツマリ型」と筆跡診断では言います)書く動作が次から次へと早く、スピーディであるともいえます。ただし忙しく、せわしない感じを与えます。字間が空いていれば(字間アキ型)ゆったりと落ち着いた余裕の感じを与えます。どちらを目指していますか? 書く速度とも関連します。 文字の大小について:文字の大小が多いと変化を感じます。(「大字小字混合型」と筆跡診断では言います)これは草書作品や仮名ではこれをうまく組み合わせるとメリハリが出て動きが多彩で臨機応変な行動力を感じさせます。逆に同じ大きさは楷書や隷書、篆書作品が多いと思いますが、沈着で、冷静でしっかりとした行動で統一感がありきちんと整列した感じを与えます。比較的ゆっくりした動きでないと書けないでしょう。その中でも墨のカスレなどにより立体的な深みとカスレによるスピード感の変化は出せると思います。 開空間について:偏と旁のある漢字のその間が広い。(「開空間広型」と筆跡診断では言います)これは、偏から旁に動く行動が大きく時間的余裕をもって腕を動かします。したがって気宇壮大となり、スケールの大きさを感じさせます。あまり広いとバラバラな感じになることは要注意ですが。また逆に狭い(開空間狭型)と、すぐに閉ざす行動でスピーディですが半面、窮屈で何物も間に入れさせない閉まった作りであり、何か隙間に入れさせない守る強さを感じさせます。自分の信念を重視する表現です。

2021年3月30日

病夫に化身した薬師如来が行基の精誠の道心を知るための方便でいろいろな難題を与えた。その結果、認められ有馬のふもとの温泉の窟に行って、湯の山を開基して、末世の衆生の為に病痾の苦痛を助けよと言って姿を虚空に消えてしまった。そこで行基は仏のお告げに任せて有馬山の温泉の窟に行き、山を穿つったり、岩をくずしたりて湯脈を探りあてる。そこに石物を祀り、奉行如法経を書写して、温泉の底に埋めて、一切衆生諸病滅除の誓祈をたてるなど念入りに行い,そのため貴賤万民の抜苦与楽の聖地となり是より、三百七十年温泉が繁盛したという。ところで病夫に与えた半肉の魚をこやの池に放ったところ、たちまち金魚となって淵で喜び泳いだという。しかしこの池に住む魚はことごとく片目であると言い伝えられ、しかもこの魚を食べると癩病なるといわれ、だれも食べる者はいなかったという。次回第5回のくずし字解読講座は、その後、洪水で温泉が壊滅状態となり九十五年間荒れてしまうが、仁西上人が不思議な夢を見て再建をする話になります。

行基が石佛をつくり祀っている図


2021年3月26日

 

土鈴

 

透明釉をかけたもの

素焼きに彩色して透明の釉をかけたのが全体が白くなっている写真です。どんなふうになるか次回が楽しみですね!土鈴は素焼きの上にアクリル絵の具で絵や模様を書いてこれで完成です。写真が上からの1枚で、いろいろな方向を取り忘れました。粘土のままの印は素焼きを依頼します。出来上がりは1か月後です。



2021年3月20日

月に2回ずつ実施している陶印づくりの会ですが、最近は陶印以外の作品が多くなってます。最近は試行錯誤を繰り返して、失敗を次に活かす工夫をお互いにしているので、それを冊子にまとめようと考えています。会員の皆様ご協力よろしくお願いいたします。

茶碗、水差し、スマホ置き、大作用の印を押す時の一回り大きな円の中に自印を押すためのもの等はまだ乾いていません。素焼きの陶印は釉薬をかけて焼成します。


2021年2月28日

2月25日(木)午後の作品です。粘土をから成型します。上がすぼまっている印は本焼きすると釉薬がかかっているので滑ります。そのため穴をあけ紐を通すなり、持ちやすいように形を作らないと、実用に印を押すときは苦労します。今回も陶印より筆洗兼筆置き、土鈴、ペンダント等参加者の思い思いの作品があります。これからすべてよく乾燥させて素焼きにします。


2021年2月23日

日曜日に幼稚園の作品展がありました。年少組・年中組・年長組の粘土での作品、ペーパー陶様々な素材での作品や自画像などの作品がたくさん展示されていました。保護者の方も密を避けて、時間を割り当てられて観覧のようでした。書道教室の年長さんと卒園生の書道と筆ペンの筆跡シートを掲示の一部をお借りして飾らせていただきました。園児の作品をみて回っていたら、廊下の壁や窓、教室の入口・出口に毛筆で書かれた案内などが書かれていました。聞いたら年長さんで書道教室のお子さんが書いたという事でした。のびのびと、楽しく、率先して書いたようで見ていてあきないほのぼのした筆跡でした。

 
 
 
 

のびのびさが伝わり、楽しくなる文字ですね!


2021年2月1日

前回第3回は行基菩薩が一人の病夫と出会い、様々な難題で看病を依頼され、献身的に看病する様子でした。するとその病夫が突然薬師になったのです。病夫は有馬の薬師如来の化身であり、行基を試したのでした。ここまでが第3回で、第4回はそののち薬師如来から有馬山温泉の再興を依頼され、荒れた温泉を修復することになります。そこでもいろいろと不思議なことが起こるという話です。興味のある方はホームページの予約システムからお申し込みください。人数制限をしています。6人まで2時間3,000円です。

行基が病夫を看病し、病夫が薬師になる絵です。


2021年1月30日

幼稚園の年長から書道を続けてきています。幼稚園年長さんは1か月の違いも大きく、また個人差も大きいので一概には言えないのですが、小学性になると徐々に差が縮まってきます。それでも個人差は大きく影響しますが、今回は小学1年生の2人が硬筆と毛筆の違い、特に毛筆の扱いの弾力を会得したらしく、黙々と集中して半紙に向かっていました。もちろん年長での経験もあって書道教室2年近くなりますが、枚数も6枚、8枚と、普通はせいぜい4枚くらいが平均ですが、筆の穂先をしっかりとみて腕を大きく動かして書いていました。

二人とも「小」の左払いが特に慎重に集中して、書いて満足しているようでした。ハネもよくできています。


2021年1月6日

崩し字の解読(古文書翻刻)を依頼されて解読していると、筆者の書き癖のある文字で苦労をすることがある。しかし、書き振りの特徴をつかむとだんだん解読のスピードが上がっていく。変体仮名や草書を一文字だけを抜き出して何という文字かと聞かれるとなかなか難しくどちらか判読しにくい文字もある。相当簡略化されると、サンズイも人偏もギョウ人偏も言偏等も同じ一本の縦画になってしまうからである。わずかな筆の動きにより異なる文字になることもあり、その筆先の動きを仔細にとらえる必要がある。したがって筆跡鑑定を志す者は、「くずし字解読(古文書翻刻)」を学んでおくと大変勉強になると考える。

今日、AIが古文書を80~90%解読できるようになった時代である。これからどんどん精度も上がっていくかと考えるが、個々人によって異なる筆癖を解読するには、そのような文字を相当集積しなくてはならないだろう。

現在、AIによるくずし字認識を研究開発するための基礎的なデータセットとして、人文学オープンデータ共同利用センターが「日本古典籍くずし字データセット」を公開しています。ひらがな(変体仮名)・カタカナ・漢字を文字または文字コードで検索できます。ただし、これまでは比較的読みやすいものが中心で、解読がより難しい字形も今後加えていくとのことです。

さらに、くずし字認識ビューアがあり、AIくずし字認識(一文字)機能を備えています。しかし、鮮明な画像でないと判読難しいようです。また、1ページ全体を認識したい場合は、「KuroNetくずし字認識サービス」を活用できるようです。しかしあくまで、日本古典籍データセットにある文字だけにしか対応していませんということです。まだまだこれからに期待したいですね。

これはパンフの一部拡大図です。1行目の解読「分」2行目の「分」後ろから2行目(前から6行目)の「今」すべて間違いで「介」で変体仮名の「け」と読む。「けり」「ければ」「ける」

崩し字の解読(古文書翻刻)を依頼されて解読していると、筆者の書き癖のある文字で苦労をすることがある。しかし、書き振りの特徴をつかむとだんだん解読のスピードが上がっていく。変体仮名や草書を一文字だけを抜き出して何という文字かと聞かれるとなかなか難しくどちらか判読しにくい文字もある。相当簡略化されると、サンズイも人偏もギョウ人偏も言偏等も同じ一本の縦画になってしまうからである。わずかな筆の動きにより異なる文字になることもあり、その筆先の動きを仔細にとらえる必要がある。したがって筆跡鑑定を志す者は、「くずし字解読(古文書翻刻)」を学んでおくと大変勉強になると考える。 今日、AIが古文書を80~90%解読できるようになった時代である。これからどんどん精度も上がっていくかと考えるが、個々人によって異なる筆癖を解読するには、そのような文字を相当集積しなくてはならないだろう。 現在、AIによるくずし字認識を研究開発するための基礎的なデータセットとして、人文学オープンデータ共同利用センターが「日本古典籍くずし字データセット」を公開しています。ひらがな(変体仮名)・カタカナ・漢字を文字または文字コードで検索できます。ただし、これまでは比較的読みやすいものが中心で、解読がより難しい字形も今後加えていくとのことです。 さらに、くずし字認識ビューアがあり、AIくずし字認識(一文字)機能を備えています。しかし、鮮明な画像でないと判読難しいようです。また、1ページ全体を認識したい場合は、「KuroNetくずし字認識サービス」を活用できるようです。しかしあくまで、日本古典籍データセットにある文字だけにしか対応していませんということです。まだまだこれからに期待したいですね。 これはパンフの一部拡大図です。1行目の解読「分」2行目の「分」後ろから2行目(前から6行目)の「今」すべて間違いで「介」で変体仮名の「け」と読む。「けり」「ければ」「ける」

最新のお知らせ

2024年4月13日
「女子消息文の手ほどき」も65段まで読み進めました。次回は66段「転居報知の文(てんきょほうちのふみ)」から読み進めます。

当時の手紙文の言葉の使い方や言い回しが時代を感じさせます。「引っ越し」を「引き移し」等。

2024年4月2日
川越筆跡研究所での陶印づくりは4月14日(日)13:00~16:00の予定です。

入口前

 

受付

 

陶印と書


陶印

 

いろいろな手工芸品もありました。

 

収集家の俳句と画

第1回陶印等小作品展が三番町ギャラリーで開催し、無事終了いたしました。ご高覧、ご協力をいただきました皆様に感謝申し上げます。合わせて筆跡による行動分析(筆跡診断)や筆跡鑑定、くずし字解読などについて紹介させていただきました。筆跡診断体験や中国陶印篆刻体験をされた方々にも感謝申し上げます。また次年度開催予定です。更に出品をしていただけるとの声もあり本当にありがたいことです。


入口はいったところ

 

インテリアの書展
受賞作2点

 

入口より中を撮影


花舞(はがき)

 

ねがい(はがき)

 

希望(手漉き和紙はがき)

2024年3月13日

15日(金)午前中及び17日(日)午後1時~3時は川越筆跡研究所で行ないます。

焼成前の陶印などです。

焼成後の作品と肌色の絵付けしてない作品は素焼きしたものです。

最新のブログ

2022年11月21日
資料を研究などに提供してくださる場合は格安で解読します。

額の文字の解読

これは、友人である俳誌「軸」を主宰し、なおかつ千葉県野田市で俳句図書館を運営している秋尾 敏氏の依頼によってくずし字を解読を協力にいたりました。図録が500円で頒布されています。機会あらば、ぜひ江東区芭蕉記念館を訪れゆかりの地など周辺を散策するのも良いかと思います。


署名の解読及び落款印の解読

明治時代のハガキの例

2024年2月26日
川越駅東口から徒歩3~5分のところにある三番町ギャラリーで陶印づくりを楽しんでいる仲間と初めて展覧会を開催します。賛助出品者からサンドブラスト作品・万華鏡・陶器の茶器・収蔵の皇帝印璽・書画など展示予定。ただただおしゃべりをして失敗を楽しみ次に活かしています。

中国陶印は印刀で彫れて持ち帰り可能です。体験も実施しています。また日頃研究している筆跡セラピー(筆跡診断)も実施しています。

  • 中国陶印篆刻体験(材料込1,500円) 筆跡セラピー(15分500円)
  • ご高覧いただき、御批正賜れば幸甚に存じます。

    陶印・筆置き・ペーパーウェイト・ミニ下駄等、陶器の小物や小品書・その他雑貨小物があります。

    2023年10月11日
    2023.9.14日(木)から2024.1.21日(日)まで東京都江東区芭蕉記念館において開催されている「旧派再考~子規に『月次』といわれた俳家たち~」という企画展の図録に掲載されている軸・短冊・色紙など50点の俳句翻刻に協力しました。

    これは、友人である俳誌「軸」を主宰し、なおかつ千葉県野田市で俳句図書館を運営している秋尾 敏氏の依頼によってくずし字を解読を協力にいたりました。図録が500円で頒布されています。機会あらば、ぜひ江東区芭蕉記念館を訪れゆかりの地など周辺を散策するのも良いかと思います。


    俳句翻刻を協力した図録です。

    東京都江東区芭蕉記念館企画展「旧派再考~子規に『月次』といわれた俳家たち~

    2023年4月18日
    大変味わい深い文章と筆跡と思い引用させていただきました。

    「埼玉・人とこころ」令和5年度特集号に小暮晴彦氏の渋沢栄一講座と題された中に、本多静六博士の書簡が一通紹介されていました。内容はその記載の中でも紹介されていますが、手紙の全文は解読されていませんでしたので、試しに解読してみました。間違いなどありましたらご批正ください。

    「埼玉・人とこころ」令和5年度特集号より引用~小暮晴彦氏の記事~


    筆者の解読文

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