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ブログ
2022年3月25日
古文書の変体仮名の効果的な学習方法の提案について

くずし字解読アプリ「みを」が開発、公開されました。近世の古文書はかなりよめると聞いています。今のところ、合字などは課題のようです。さらに「ニンベン」「ギョウニンベン」「サンズイ」「リッシンベン」など同じくずしになってしまう草書体などは、AIでは判読しにくいかと思われます。文書の意味が通るように読まないとならないという高度な課題もあります。さらに書いた人の癖があり、なかなか最後は人間か判断しないとならないことも残るのでなないかと思われます。現在、どのくらいの古文書を「みを」を使って読めるかを検証した人もいますが、かなり参考になる場合もありますが、誤読はものによってたくさんあるようです。そこで、私は、一つの古文書を読み、その中に使われている変体仮名を知ることで、其一つの古文書を早く読むための変体仮名の学習方法を考えてみました。1つの古文書に使われている変体仮名をまず学ぶことで、使われていない変体仮名はその時点では学ぶ必要はありません。そのように一つ一つ学んでいくうちに自然に五十音の変体仮名を学び終わっていたという方法もあるのではないかと思います。最初にすべての変体仮名を学ぶ方法もありますが、一つの古文書の積み重ねが、内容を知ることができれば楽しく学べるのではないかと考えました。そこで今回は国立国会図書館デジタルコレクションにある「有馬山温泉小鑑」出版社菊屋五郎兵衛、貞享2年出版は有馬温泉の歴史を知ることができ、行基菩薩などの不思議な話などがおり交ぜられて、興味深い内容です。

  1. 「有馬山温泉小鑑」における変体仮名の覚え方
    • ① 頻出の順番に変体仮名を覚える。
    • ② 同一の変体仮名のくずし方の変化にも考慮して、様々なくずし方の程度にも注意して覚える。(変体仮名の字母となった感じを抑えておくと覚えやすい)
  2. 課題として、これはまだ1冊の古文書の事例だけであるうえ有効かどうか検証する必要がある。
  3. 古文書は変体仮名だけではなく行書・草書も読める必要がある。その学習方法は今まで出版された解読の学習法などの出版物による学習やYouTubeなどでも解説がたくさんあるのでそれらの活用も有効である。

有馬山温泉小鑑における変体仮名の使用をページごと順番に書き出し、さらに使用頻度を50音順の一覧表にしました。その活用などの拙い提案を大学の紀要にまとめました。『「有馬山温泉小鑑」における変体仮名の使用に関する研究(武蔵野学院大学日本総合研究所研究紀要((第19輯/2022))齋藤英男』です。


最新のお知らせ

2024年4月13日
「女子消息文の手ほどき」も65段まで読み進めました。次回は66段「転居報知の文(てんきょほうちのふみ)」から読み進めます。

当時の手紙文の言葉の使い方や言い回しが時代を感じさせます。「引っ越し」を「引き移し」等。

2024年4月2日
川越筆跡研究所での陶印づくりは4月14日(日)13:00~16:00の予定です。

入口前

 

受付

 

陶印と書


陶印

 

いろいろな手工芸品もありました。

 

収集家の俳句と画

第1回陶印等小作品展が三番町ギャラリーで開催し、無事終了いたしました。ご高覧、ご協力をいただきました皆様に感謝申し上げます。合わせて筆跡による行動分析(筆跡診断)や筆跡鑑定、くずし字解読などについて紹介させていただきました。筆跡診断体験や中国陶印篆刻体験をされた方々にも感謝申し上げます。また次年度開催予定です。更に出品をしていただけるとの声もあり本当にありがたいことです。


入口はいったところ

 

インテリアの書展
受賞作2点

 

入口より中を撮影


花舞(はがき)

 

ねがい(はがき)

 

希望(手漉き和紙はがき)

2024年3月13日

15日(金)午前中及び17日(日)午後1時~3時は川越筆跡研究所で行ないます。

焼成前の陶印などです。

焼成後の作品と肌色の絵付けしてない作品は素焼きしたものです。

最新のブログ

2022年11月21日
資料を研究などに提供してくださる場合は格安で解読します。

額の文字の解読

これは、友人である俳誌「軸」を主宰し、なおかつ千葉県野田市で俳句図書館を運営している秋尾 敏氏の依頼によってくずし字を解読を協力にいたりました。図録が500円で頒布されています。機会あらば、ぜひ江東区芭蕉記念館を訪れゆかりの地など周辺を散策するのも良いかと思います。


署名の解読及び落款印の解読

明治時代のハガキの例

2024年2月26日
川越駅東口から徒歩3~5分のところにある三番町ギャラリーで陶印づくりを楽しんでいる仲間と初めて展覧会を開催します。賛助出品者からサンドブラスト作品・万華鏡・陶器の茶器・収蔵の皇帝印璽・書画など展示予定。ただただおしゃべりをして失敗を楽しみ次に活かしています。

中国陶印は印刀で彫れて持ち帰り可能です。体験も実施しています。また日頃研究している筆跡セラピー(筆跡診断)も実施しています。

  • 中国陶印篆刻体験(材料込1,500円) 筆跡セラピー(15分500円)
  • ご高覧いただき、御批正賜れば幸甚に存じます。

    陶印・筆置き・ペーパーウェイト・ミニ下駄等、陶器の小物や小品書・その他雑貨小物があります。

    2023年10月11日
    2023.9.14日(木)から2024.1.21日(日)まで東京都江東区芭蕉記念館において開催されている「旧派再考~子規に『月次』といわれた俳家たち~」という企画展の図録に掲載されている軸・短冊・色紙など50点の俳句翻刻に協力しました。

    これは、友人である俳誌「軸」を主宰し、なおかつ千葉県野田市で俳句図書館を運営している秋尾 敏氏の依頼によってくずし字を解読を協力にいたりました。図録が500円で頒布されています。機会あらば、ぜひ江東区芭蕉記念館を訪れゆかりの地など周辺を散策するのも良いかと思います。


    俳句翻刻を協力した図録です。

    東京都江東区芭蕉記念館企画展「旧派再考~子規に『月次』といわれた俳家たち~

    2023年4月18日
    大変味わい深い文章と筆跡と思い引用させていただきました。

    「埼玉・人とこころ」令和5年度特集号に小暮晴彦氏の渋沢栄一講座と題された中に、本多静六博士の書簡が一通紹介されていました。内容はその記載の中でも紹介されていますが、手紙の全文は解読されていませんでしたので、試しに解読してみました。間違いなどありましたらご批正ください。

    「埼玉・人とこころ」令和5年度特集号より引用~小暮晴彦氏の記事~


    筆者の解読文

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